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  • 2013.04.25 Thursday
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北鎌倉の少年

 列車を降りて改札を出ると青い空が広がった。

 冬の太陽が海風を纏って鈍く輝く。

 逗子へ来た。


 大宮から新宿湘南ライナーに乗って90分。

 ずっと車窓を眺めていた。

 高校時代に通った駒込、オープン当時は今のスカイツリーどころの騒ぎじゃなかったサンシャイン60、昔は操車場だったサザンテラス、サラリーマン時代に通勤で歩いた渋谷の路地裏、明治学院のある目黒、社会人三年目で営業して回った五反田と大崎。

 馴染み深い景色に当時の記憶がシンクロする。

 横浜スタジアムでも試合をしたな。

 勝った記憶があんまりないけど。

 何でこんな遠くにキャンパスを作ったのかなあ。

 明治学院大学 戸塚キャンパス。

 戸塚より先は見慣れない風景が続いた。

 
 北鎌倉に列車が停まると、ホームの向こうの広場に青いニットを来た少年がいた。

 階段に腰掛けて何をするでもなく、ぼんやりと視線を泳がせていた。

 もしかしたら少女だったのかもしれない。

 列車が動き始めると、少年は列車に向かって手を振り始めた。

 彼の周りにたくさん子供たちが集まってきて一緒に手を振りながら歓声を上げていた。

 僕の子供時代には全く重ならない景色だった。

 誰かと一緒に楽しんだことはなかった。

 いつも一人だった。


 
 逗子で大学の体育会で一緒にアメフトをプレイした先輩に会った。

 先輩に大学当時の面影は全くない。

 髪だけでなく口髭まで長く伸ばしている。

 デニムメーカーの代表だ。

 来期、EUで展示会を実施し世界進出するという。

 素晴らしいな。

 「世界進出」とか聞くとこっちまで燃えてくる。

 昼間から生ビールを飲みながら、ビジネスの話しをした。

 

 孤立を恐れたことも、避けたこともない。

 孤立した記憶がそこらじゅうに蘇るけど、気持ちが通う仲間っていいもんだな。

 
 先輩と会話を終えて逗子の駅から列車が動き出しても、シートに身をうずめて、ずっとそんなことを考えていたんだ。



 桑村よしくに

  
 

 

 
 


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